「蝶のように舞い、蜂のように刺す」
各人が、それぞれきまぐれのように音を出し漂いながらも、サムに向かってものすごい瞬発力で突進する。そのような、音が収束していく様が気持ちいい一枚。
 

録音時は齢８０にしてのパフォーマンス。背筋の伸びた凛としたただずまいが素晴らしい。

まさに、これぞカルナーティック！！と声を大にして言いたい。そんなアルバム。

さらに美しいのは、Ｔ.Ｎ.クリシュナンのバイオリン。歓喜の唄。ボーカル・サポートもあり、その演奏に厚みを加える。３ピースのシンプルな編成での美しさも良いが、このようにパーカスが2つ以上入り、さらにボーカルサポートが入った重厚な編成も魅力的。あまりないのだが、男性と女性でそれぞれにサポートが入ると、これまた美しくなる。
ムリダンガムは、トゥリチーシャンカラン。そして、カンジーラが、G. ハリシャンカール！！と申し分ない。

＜演奏者＞

Vocal：Semmangudi Srinivasa Iyer
Violin：T.N.Krishnan
Mridangam：Trichy Sankaran
Kanjira：G.Harishankar

＜曲目＞　曲名－Raga－Tala－作曲者

1. Sri Mathrubhootham-Kanada-Misra Chapu-Muthuswami Dikshitar
2. Pattividuvaradhu-Manjari-Adi-Tyagaraja
3. Ambha Neelayadhakshi-Neelambari-Adi-Muthuswami Dikshitar
4. Nenarunjinanu-Malavi-Adi-Tyagaraja
5. Pankajalochana-Kalyani-Misra Chapu-Swati Tirunal
6. Karunasamudhra-Devagandhari-Adi-Tyagaraja